『Frank Lloyd Wright― Fallingwater Taliesin 』
今回は、いわゆる"おしゃれ部屋をつくる"ために参考にする本、というのとはちょっと違います。
そう、どちらかというと、部屋にあると"おしゃれー"と思われる本ですかね!?
建築をあまり知らない人でも一度は名前を聞いたことがあるであろう、現代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの代表作・Fallingwater(落水荘)とTaliesin(タリアセン)の写真集です。
『Frank Lloyd Wright― Fallingwater Taliesin 』
上田義彦
いわゆる通常の建築写真とは、ひと味違う写真集になってます。
なにが違うのか? 上手く表現できる自信はないのですが。。。
通常の建築写真は、外観にしても室内にしても、しっかり光が当たった状態で、ディテールまでクリアに写すことに重きがおかれていると思います。
建築を勉強している人にとっては、ディテールもちゃんと見たいですからね。
しかしこの写真集では、陰影をナチュラルにとらえ(実際はそうではないかもしれませんが)、影で見えない部分をそれはそれでOKとしています。
建物に対する説明やウンチク、つまり文章は一切ありません。また、建物の周りの草木だけのカットなども混ざっていたりして、普通の建築系写真集ではありえない構成です。
広告を中心に写真界の第一線で活躍している上田氏にとっては、被写体としての建築は、女優と変わらない存在なのだろう、という印象を抱きました。
とは言え、実際に購入しようと思うのは、建築を勉強した人か、ライトファンぐらいかもしれません。
それでも、家に遊びに来た建築とは無縁の友達に見せて、「へー、これいいね。」と言わせるだけの力を持った写真集だと思います。